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September 16, 2005

●西に悩む友がいる

中途半端な付き合いを始めてしまって
結果的に悩み
中途半端にフッた彼女に対して、今なお悩む友がいる

お盆の帰郷の際、そんな彼に会い
KODAK 400TXを渡した
自分の風景を、白と黒の濃淡だけで表現するモノクロ写真で写して欲しくて

思えば彼の写真に影響を与えたのは、私であると実は自負している
その後、彼が彼なりに試行錯誤して、彼の写真を撮ってくれているので
私は彼の写真を見るのがとても嬉しい
だが、彼はコレを機に、写真をやめると言わんばかりの勢いだった


だから私は彼に下記のメールを送った

air> 写真は心を写します
air> だから、今こそ写真を撮っておくべき
air> 失恋した彼女もそう思っているよ
air> フッたあなたも、相当つらかったと思います

air> もっともっと、ステキな男になろうぜっ!
air> 撮りまくれっ!
air> そして走りまくれっ!
air> 絶対に自分のイイ思い出になるよ


しかし返って来たメールは、私の考えとは違って悲しいものだった
彼は現像するのを躊躇っていた

>> 何が写っているか分からない
>> 喜び? 怒り? 哀れみ? 楽しみ?今は見る気になれない。

>> 家に帰るのさえ嫌だ
>> 仕事をしているほうが気楽だ
>> 仕事だけを考えていれば良いから

とある掲示板に書かれた彼の言葉の最後には
こうも綴られていた

>> 現像に出していない2本のフィルムと一緒に、
>> 俺の心も現像に出せると少しは楽になるかもしれない。

おいおい・・・
九州男児やろ!?
答えは分かっちょんハズやんに、尻が重いやっちゃなぁ~

だから私はこう答えた

air> 現像出そうよ
air> そうしないと、いつまでもお互い引きずったままだよ
air> 早く新しいフィルムを入れて、新しい景色を撮りに行こう
air> 新しい自分を撮りに行こう

air> "私は時を止めたくて写真を撮るのではない その逆だ"


その瞬間瞬間は、その時にしか訪れない
シャッターチャンスは、個々人のタイミングによる
こと恋愛に関しては、全部が全部は違うだろうが
今を生きていくことには変わりは無い
現像が上がってきたフィルムは、過去の瞬間を切り取ったものだろうが
そのシャッターを押した瞬間の気持ちは、撮った人間にしか分からない

時の流れは止まらない
ただ、止まらないその瞬間瞬間の連続という時間の流れを
写真とういモノにおさめたのだよ

一枚一枚の写真には、必ずドラマがある
その写真を撮った人間の、ドラマがある
その時の気持ちを大切にして欲しい
そのステキな時間を
自分のものにして欲しい
そして新しい明日の笑顔に向かって


数日後、彼から連絡があった
現像に出すことを決めてくれたようだ
そして、その結句にはこうあった

>> 現像までの、その数日間は新たな準備の期間と思って・・・

彼は、準備を始めたようだ
また、一人の男が、写真界に戻ってきた瞬間だった


その数日後、彼から現像が上がってきた報告があった

>> 白黒は絞りが甘いですわ。
>> 甘いのは俺自身なんだろうね。
>> 俺も前を向いて歩きますわ。
>> 自分に嘘を付かないで、俺らしくね。

彼は自分を見失わなかった
良かった
私は彼にエールを送った
5年前、私が彼にもらった勇気のように

air> 絞りが甘ぇんは、いいんやねん?
air> そんときは、「あまぁ~い」気持ちが欲しかったんやわ
air> きっとな
air> そんときん、自分の正直な気持ちやわ
air> それも大切にしちょきよ
air> 自分の気持ちやで


彼は今、もう悩んでいない
成長した証を、そのうちまた写真で見せてくれるだろう
そして、いつの日かまた、九州横断道路を一緒にブッ飛ばそう

Posted by air at September 16, 2005 11:00 PM
Category : nikon d70
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